この記事では、カフェチェーン店における業績と指標の比較をしていきたいと思います。
その中で、手頃な価格のチェーン店を経営している銘柄をピックアップしました。
コメダHDはコメダ珈琲店の他におかげ庵、
ドトール・日レスHDはドトールと星乃珈琲店の他にレストラン、
サンマルクHDはサンマルクの他に神戸元町ドリア、
などを経営しているため、コーヒーチェーンのみの比較ではありませんが、まとめて見ていこうと思います。
(2021/6/14 時点)
コメダHD | ドトール・日レスHD | サンマルクHD | |
株価 | 2,063円 | 1,708円 | 1,656円 |
時価総額 | 951億円 | 779億円 | 377億円 |
決算月 | 2月 | 2月 | 3月 |
では、早速各社の業績から見ていきましょう。
※本記事は、特定の銘柄の買いを推奨するものではありません。
投資は自己の判断に基づき行ってください。
1、業績
売上高
コメダHD | ドトール・日レスHD | サンマルクHD | |
前期比 | −8% | −27% | −37% |
各社、緊急事態宣言による時短や休業のダメージを受けています。
一方、通信販売は伸びてるいます。ただ、店舗での売上をカバーできるほどではないかと思われます。
コメダHDは、そこまでダメージを受けていない印象を受けます。
2020年4月の緊急事態宣言下での売上は大幅に落ちてる、徐々に売上を戻していきました。
大人気の鬼滅の刃とのコラボなどもあり、前年比7.6%減にとどめています。
出店は46店、閉店は28店でした。
2022年は、約329億の売上を見込んでいるとのことです。
ドトール・日レスHDは、売上が大きく減少(27%)したのもありますが、人件費や家賃などの固定費が圧迫しているようです。
出店は73店、閉店18店でした。
今後は早期の回復は難しく、休業なしワクチン投与進むということを前提にした場合、2022年の売上高は約1221億円を見込んでいるとのことです。
サンマルクHDはこの中で最も減少幅が大きいです。(37%)
出店12店、閉店80店でした。
他と比べて閉店数が多いですね。ただ、その分家賃や人件費などの固定費の減少が見込めますので、現状では一概に悪いとは言えないですね。
今後は、中食需要への対応としてテイクアウトやデリバリーなどの強化、サテライト型店舗やテイクアウト専門店の実験検証に継続的に取り組んでいくとのことです。
2022年は、約540億円の売上を見込んでいるとのことです。
営業利益
コメダHD | ドトール・日レスHD | サンマルクHD | |
前期比 | −4% | −142% | −197% |
コメダHDは売上高と同様そこまでのダメージを受けていないですね。
恐らく、根強い商品が安定した売上に貢献しているのでしょう。
2022年は、約72億の営業利益を見込んでいるとのことです。
ドトール・日レスHDは142%減少している。
2022年は、休業なしワクチン投与進むということを前提にした場合、営業利益約30億を見込んでいるとのことです。
44.4はこの中で最も減少幅が大きく、197%減少しています。
2022年は、約14億円の営業利益を見込んでいるとのことです。
2、財務
自己資本比率
ドトール・日レスHDは横ばいですが、他は減少しています。
ドトール・日レスHDとサンマルクHDは飲食店の中でも特に自己資本比率が高い方ですので、どうしてもコメダHDは低く見えてしまいます。
実際に、コメダHDは40%を下回っているため、少し危険だと言えます。
フリーCF
コメダHDは、債券の減少や、新型ウイルスの影響に備えての借入実行により、増加した分があるもののトータルでは減少しています。
ドトール・日レスHDは、売上の減少がそのまま影響されています。投資活動・財務活動は前年と大差はないです。
サンマルクHDは、借入実行により、財務活動によるキャッシュフローが増加したもののトータルでは大幅にマイナスとなっています。
3、指標
PER
コメダHD | ドトール・日レスHD | サンマルクHD | |
PER | 19.48倍 | 13.00倍 | 32.26倍 |
割安なのはサンマルクHDだと言えそうです。
ドトール・日レスHDは15倍を大幅に超えてしまっており、割高と言えます。
PBR
コメダHD | ドトール・日レスHD | サンマルクHD | |
PBR | 2.72倍 | 0.81倍 | 0.94倍 |
ドトール・日レスHDとサンマルクHDは1倍を下回っており、割安と言えます。
コメダHDは大幅に上回っているため、割高と言えます。
ROE
コメダHD | ドトール・日レスHD | サンマルクHD | |
ROE | 10.60% | -11.00% | -19.10% |
コメダHDはプラスを維持していますが、他はマイナスになっています。
現状では、致し方ないでしょう。
配当利回り、配当性向
コメダHD | ドトール・日レスHD | サンマルクHD | |
配当利回り(実績) | 1.90% | 1.40% | 2.64% |
配当利回り(予想) | 2.60% | 1.40% | 2.64% |
配当性向 | 50.1 | 24.8(前期) | 88.9(前期) |
全社減配となっています。
サンマルクHDは配当性向があまりにも高いですね。だいぶ無理をして配当を出しているようです。
4、まとめ
やはり、新型ウイルスによる緊急事態宣言による影響が大きくなっています。
各社、今後は売上は回復する見込みとしていますが、あくまで、ワクチンの普及を見込んでのことなので、順調に回復するかはあやしいのではないかと思います。
ただ、デリバリーやテイクアウトなど店舗以外の部分で尽力しているようなので、その辺りを含め、今後の業績の推移を注視したいです。
以上、この記事が参考になれば幸いです。