ETFとは上場投資信託です。指数に連動するものや、セクター別、テーマ別に分けらているものもあります。
その中でも、今回は高配当ETFに着目し、特に有名な4銘柄を比較していきたいと思います。
高い配当をもらい資産を築くための金の卵を見つけたいという方は、ぜひこの記事を参考にしていただければ幸いです。
※この記事は特定の商品を勧めているわけではありません。投資は自己判断に基づき行ってください。
代表的な4銘柄
SPYD
商品名 | SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF |
直近配当利回り | 4.91% |
分配回数 | 年4回(3月、6月、9月、12月) |
経費率 | 0.07% |
純資産額 | 52億6,600万ドル |
運用会社 | ステート・ストリート |
SPYDはS&P500高配当指数に連動するETFです。
S&P500高配当指数とは、S&P500の中から配当利回りの上位80銘柄のパフォーマンスを計測する指標です。
VYM
商品名 | バンガード 米国高配当株式ETF |
直近配当利回り | 2.69% |
分配回数 | 年4回(3月、6月、9月、12月) |
経費率 | 0.06% |
純資産額 | 510億2,000万ドル |
運用会社 | バンガード・グループ |
VYMはFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスに連動するETFです。
米国株の全銘柄から、特に大型株を中心に予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄を組み入れています。
VOO
商品名 | バンガード・S&P500ETF |
直近配当利回り | 1.23% |
分配回数 | 年4回(3月、6月、9月、12月) |
経費率 | 0.03% |
純資産額 | 8,290億ドル |
運用会社 | バンガード・グループ |
VOOはS&P500に連動するETFです。
SPYDは高配当銘柄に絞られているのに対し、こちらは配当利回りの条件がなくS&P500の多くの銘柄が組み入れられています。
HDV
商品名 | iシェアーズコア米国高配当株 ETF |
直近配当利回り | 3.42% |
分配回数 | 年4回(3月、6月、9月、12月) |
経費率 | 0.08% |
純資産額 | 73億4,200万ドル |
運用会社 | ブラックロック |
HDVは高配当で、財務が安定している銘柄を組み込んでいる銘柄です。
配当利回り、経費率、トータルリターン
SPYD | VYM | VOO | HDV | |
配当利回り | 4.91% | 2.69% | 1.23% | 3.42% |
経費率 | 0.07% | 0.06% | 0.03% | 0.08% |
トータルリターン (1年) | 32.34% | 19.22% | 18% | 21.35% |
トータルリターン (3年) | 6.23% | 7.17% | 12.44% | 5.23% |
トータルリターン (5年) | 6.52% | 8.54% | 13.53% | 6.83% |
配当利回りは、SPYDが最も高く、VOOが最も低いです。
その差は2.68%と大きく開いています。
また、その間にHDV、VYMが順に位置しています。
経費率はどこも0.1%未満と低く、大差がありません。最も高い銘柄でも、HDVの0.08%となっており、投資をする上でそこまで気にする必要はないかと思います。
トータルリターンについては、VOOが最も高く5年で13.53%となっています。配当利回りは低いものの、組入銘柄の成長率は他の銘柄より高いといえます。
逆に、SPYDは配当利回りは高いものの、5年で6.52%と最も低くなっています。
この差は、それぞれのETFに組み込まれている銘柄が異なるために生まれています。
そこで、次の項目でそれぞれの組入銘柄から特徴を見ていきたいと思います。
組入銘柄数、セクター別割合TOP5、組入銘柄TOP5
【組入銘柄数とセクター別割合TOP5】
SPYD | VYM | VOO | HDV | |
銘柄数 | 79 | 410 | 511 | 75 |
TOP1 | 金融(18.69) | 金融(23) | 情報技術(28) | ヘルスケア(20.41) |
TOP2 | 公共事業(17.18) | 生活必需品(12.5) | ヘルスケア(13) | エネルギー(18.97) |
TOP3 | 不動産(16.75) | ヘルスケア(12.3) | 一般消費財(12.8) | 生活必需品(16.41) |
TOP4 | エネルギー(12.27) | 資本財(10) | 金融(11.4) | 通信サービス(12.33) |
TOP5 | 生活必需品(8.2) | 一般消費財(8.7) | 通信サービス(10.8) | 情報技術(9.44) |
これらを見ると、SPYDにはディフェンシブなセクターが多く含まれていることを確認できます。
高い配当利回りと低い成長率はこのためです。
逆にVOOは情報技術の割合が多く、その分、低配当・高成長を実現しています。
また、銘柄数はSPYDとHDVは80未満、VYMとVOOは数百と大きく差があります。
前者2つはディフェンシブが多い分、分散が少なく、
後者2つは、グロースも多く含まれているため、それを補うように分散されています。
【組入銘柄TOP5】
SPYD | VYM | VOO | HDV | |
TOP1 | サイモン・プロパティ・グループ(1.64) | JPモルガン・チェース(3.7) | マイクロソフト(6.3) | エクソン・モービル(9.17) |
TOP2 | コメリカ銀行(1.63) | ジョンソン&ジョンソン(3.1) | Apple(6) | AT&T(6.98) |
TOP3 | リージョンズ・ フィナンシャル(1.55) | ホーム・デポ(2.9) | アルファベット(4.4) | シェブロン(6.67) |
TOP4 | キーコープ(1.51) | バンク・オブ・アメリカ(2.6) | Amazon(3.7) | ジョンソン&ジョンソン(5.52) |
TOP5 | M&T・バンク(1.5) | P&G(2.5) | テスラ(2.3) | アッヴィ(5.23) |
組入個別銘柄を見ていくとさらに詳細に特徴がわかるかと思います。
VOOのTOP5にはGAFAMの内4社、そしてテスラが組入れられています。これらは代表的なグロース株であり、トータルリターンにその成長率が反映されています。
他の3つのETFはバリュー株がTOP5に位置しています。
どの銘柄に投資すべきか
なるべき安定した値動きが良い
⇨SPYD、VYM、HDV
その中で毎回の配当を着実にもらいたい、そしてそれを再投資やお小遣いなどに回したい
⇨SPYD
配当はそこまで多くなくても良いが、売却益はそれなりに欲しい
⇨VYM、次点でHDV
とにかく成長性が高いものが良く、配当はそれなりにあれば良い
⇨VOO
大きく分けると以上のようになります。高配当という性質から大きな成長は求めづらいです。
そのため、成長性が高いETFは少ないため、堅実に資産運用をしていきたい方に向いているでしょう。
SPYDは特にS&P500に連動しているため、それをコアに置くことで、他の個別株やETFなどで利益を狙うという運用も考えられます。
いずれにしても、自分のポートフォリオとリスク許容度を基に判断することが重要です。
これまでに述べた特徴から、ぜひ自分のポートフォリオに見合った銘柄を選んでみてください。